呼吸と心と身体の関係。
怒りやストレス、苛立ちを感じていると呼吸の質は、混乱した不規則なものになります。これは、自律神経の働きによるもので心のコントロールができなくなります。
反対にリラックスして、穏やかで平和な気持ちでいると呼吸は自然に規則的でスムーズ、かつ深いものになります。
心と身体の間に呼吸があり、呼吸と心は表裏一体、呼吸は心の状態のバロメーター。変化に影響を与える手段でもあります。
心のコントロールは難しいですが、呼吸をコントロールすることは可能です。深呼吸などは意識的にできます。呼吸をコントロールすることによって、自律神経を調整することにも繋がり、これが呼吸の効果なのです。
古代のヨギ達は実践を通してこの密接な関係に刺激を受け、導かれてきました。
心と身体のバランスが悪くなったら、「呼吸」を通して戻ってくることができます。心が穏やかならば、身体も穏やかになります。
ヨガは、人と比較せず自分自身の内面に目をむけ、穏やかな気持ちになり、幸福感を得ることができる方法です。迷ったり悩んだり不安になったりしたときに、心を強く穏やかにしてくれるもの、寄り添えるもの。心と体を本当の意味での健康にしていきます。自分の内面に意識を向け、自分のことを知り、心をコントロールしていきます。
アーサナ中で実践するならば、呼吸に意識を向けスムーズで均等な呼吸の流れを作り出し、呼吸の延長線上でポーズを経験します。
鼻呼吸では、鼻孔や鼻の付け根を空気が入ってくる際に音、長さ、呼吸の質に集中することで意識的に行うことができます。
喉呼吸(オーシャンブレス)では、喉の付け根で声門をわずかに締めて呼吸の摩擦音を出すことで、鎮静効果で心を穏やかにします。呼吸と動きが容易に一体となるので、アーサナ(ポーズ)と共に使われることが多くあります。
呼吸の質に注意を向け。呼吸の内なる声に耳を傾けて、それが変化して短くなったり、不安定になる時に気が付いていきます。姿勢を調整すると、呼吸が再び完全になり安定します。体の中でより容易に感じられるでしょう。
身体はその限界を超えると、呼吸の質に反映されます。身体の中に不快感や緊張感があれば必ず、呼吸の流れがぎくしゃくしたり不安定になります。
筋肉のエネルギーを十分使っていなかったり、ストレッチが不十分だと、呼吸の焦点がぼやけるので、心が鋭さを失って彷徨い始めます。
私たちは身体に感じる不快感や痛みを読み取る力があります。不快感の中には、単に抵抗や身体を動かす必要がある時に出てくるものもあります。あるいは医療的に取り扱う必要があるものもあります。
ポーズを行うことは、まずストレッチの境界で、限界、緊張、不快を感じるところまで意識を持っていき、そこで何が起こっているかを自分が感じるままにします。それから、そこに優しく呼吸をします。呼吸が浸透し、その部位に広がって緊張を和らげ、呼気と共に緊張が解き放されるのを感じていきます。気を付けて観察しながら新しく開かれた状態で、ストレッチをより深く、優しく入っていくことができるようになります。
ヨガのアーサナで内なる焦点を維持し、より深い経験を得るためにぜひ呼吸を意識してを練習していきましょう。そして、マットの上での気づきを日常生活にも活かしてみましょう。